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受注すべきなのか?

製造業と商社的取引業者(物を仕入れてそのまま販売する事業)では儲かっているかどうかの判断の考え方が大きく異なります。

100円仕入れたものを90円で売れば間違いなく赤字であり、その事業は成り立たないのは誰しもが理解できるところです。

しかし自社で製造する製品については下記のような考え方になります。

 

ある製品を製造する必要な費用(製造原価)は年間120,000,000円とする

60台の製品が生産されると単純に1台当たり製造原価は2,000,000円である

1台当たり3,000,000円で売れば1台当たり1,000,000円の利益である

 

では1,800,000円で売れば1台当たり損失200,000円となるか???

 

これを考えるに当たっては製造原価の内容を検討する必要がある

例えば製造原価の内、材料費が1台当たり300,000円だとすれば1,800,000円でも販売する方が損失を減少させることができる。

上記60台生産するのに年間120,000,000円掛かるうち材料費18,000,000円で102,00,000円は人件費等固定費となる。

固定費とは生産してもしなくても発生する製造原価である。

従って、1,800,000円だから販売しないとした場合、損失は102,000,000円となるが、生産販売すると1台当たり1,800,000円-300,000円=1,500,000の固定費回収が可能であり60台で90,000,000円の固定費回収できるため損失は102,000,000円-90,000,000円=12,000,000円の損失にとどまることになる。

販売価格が1,800,000円で損失が出ないようにするためにはどうすればよいのか???

 

販売台数を増やすか、販売価格を引き上げるか、固定費を下げるかの選択枝が考えられる。

上記の場合、固定費を12,000,000円以上コスト削減すれば利益が出る。販売台数を何台増やせばいいのか?

1台当たり変動費を除いた利益(限界利益)が1,500,000円であるから8台販売を増やせば1,500,000円×8-12,000,000円=0

要するに1台当たり1,800,000円の場合の損益分岐販売数量は102,000,000÷(1,800,000-300,000円)=68台

限界利益率が(1,500,000÷1,800,000)83%で固定費102,000,000円の費用構造での損益分岐点売上高は約122,000,000円となる

 

損益分岐点を考えるに当たり、限界利益率、固定費がどうゆう状況か、限界利益率に与える売上単価、変動費がいくらであるのかにより影響することが分かる。

 

上記変動損益計算と通常の損益計算書との違いは固定費の扱い方である。

 

通常の損益計算書では固定費を製品原画に含めてしまうため生産量を増やせば増やすほど製品1台当たりのコストが下がり利益が出ることになる。在庫が増えては意味がない利益となる。

変動損益ではその期間に生じた固定費は全て費用として考えるため上記のような在庫の変動により損益が変動することはないのが特徴である。

 

 

損益分岐点を考えた販売計画の立案

 

上記の通り、限界利益がいくらであり(いくらにすべきであり)固定費を回収する為には生産、販売数量がいくらにしなければならないのか、その生産販売数量を達成するためには何をしなければならないのかを検討しなければならない。

限界利益が25で固定費が15,000であれば売上数量は最低600でないといけない。

販売価格引き上げ又は変動費の低減で限界利益が30になれば最低販売数量は500となる

固定費を削減した場合も同様に固定費が12,500にすれば限界利益が25であっても500の生産販売数量で損益分岐点に達する。

このように販売数量、販売価格、製造原価の削減を総合的に考え実現可能な売上計画、利益計画を作成していく事になります。

段ボールを運ぶ男性
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